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相続トラブルで信頼関係は崩壊。祖母の所有のビルに住む長男を追い出すことはできますか?
- 質問者:シンさん
- 相談日時:2020/05/02(地域:福岡県)
ビル建設時50年程前から祖母と長男、そしてその家族が住んでおりましたが、祖母は追い出されるように20年程前に一人暮らしを始め、今に至っております。
長男の子(3人)はそれぞれ家族を持ち、自立して今は住んでおりません。長男の配偶者は祖母から勘当を受け、長男と別居生活で当物件に住んでおりません。
前置きが長くなってしまいましたが、近年、相続トラブルから祖母と長男は揉めており、信頼関係は崩壊しております。
例えば、祖母が当ビルに出向こうものなら、「帰れ!」と怒鳴り上げる始末です。時には警察を呼ぶこともあるぐらいです。
祖母も高齢のため、晩年はもとの自宅である当ビルに住みたい意向があるため、犬猿の中になってしまったこの長男を追い出すことはできますでしょうか。
祖母は85歳、長男は65歳です。
ちなみに、賃貸借契約は交わしておりませんし、書面での使用契約も交わしておりません。
これまでの流れで住み続けていたものが、ここにきて「出て行け」ということに切り替えたいのです。
1 いただいた情報限りでは、「長男」を退去させられる可能性は十分にあると思います。
2 まず、契約書はありませんが、おそらく20年間、使用を認めていたことからすると、黙示の使用貸借が認められる可能性は高く、この使用貸借を解約できるか、という枠組みになるものと思われます。
3 そのうえで、信頼関係の破壊に言及されていることからしますと、判例を踏まえてのご質問と思われます。確かに、返還時期の定めがない土地の使用貸借で、父母(貸主)と子(借主)の間の信頼関係が破壊されたことを理由に、改正前の民法597条2項但し書きを類推適用して、貸主は借主に対し、使用貸借を解約できるとした判例があります(最判昭和42年11月24日)。
ただ、信頼関係の破壊というのは、使用貸借をこのまま存続させるのは不合理だという裁判所からの「評価」によるものです。当事者の主観で一般的に信頼関係が破壊されたと思っていても、主張立証が不十分だと、裁判所が解約を認めてくれない可能性もありますので注意が必要です。
この基準で行く場合は、「経過した年月」、「土地が無償で貸借されるに至った特殊な事情」、「その後の当事者間の人的つながり」、「土地使用の目的、方法、程度、」「貸主が土地の使用を必要とする緊要度」を、詳細に、丁寧に、主張立証して、行く必要があります(最高裁昭和45年10月16日判決)。ざっと拝見した限りでは、この要素に該当する事項は、それなりにあるものと思われますが、当初の「追い出された」というご事情や、ご祖母が、本件ビルに住む必要性や、現在の住居では困る理由などを詳細に説明していく必要があるでしょう。
上記の要素について、しっかりと主張立証できた場合は、解約が認められる可能性はあると思います。裁判所を説得する作業は大変ですので、周到な準備が必要になってきます。弁護士と十分な打ち合わせをすることが必要だと思います。
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